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一年のうちでいちばん昼が短い日、冬至。
この日をさかいに、だんだんと日が長くなって春に向かっていく、季節の節目です。2020年は12月21日(月)になります。
昔から、冬至の日にはかぼちゃを食べるといいとか、ゆず湯に入るといいとか言われています。
ただ、かぼちゃって、家族みんなが好きとは限らないんですよね。うちの夫も冬至だからって、かぼちゃは喜んでくれないかも。
でも冬至の食べ物って、かぼちゃに限らないんですよ。私みたいにかぼちゃが大好きな人はいいですが、他の食べ物でもOKなら知りたくないですか?
そもそも冬至にかぼちゃを食べるという習慣にはどんないわれがあるのでしょうか?
冬至の食べ物として、かぼちゃ以外にはどんなものがあるのでしょうか?
まとめてみましたので、家族が喜んでくれる冬至のメニューの参考にしてください。
冬至の食べ物の由来ってなに?
冬至の食べ物としていちばんに思い浮かぶのは「かぼちゃ」だと思いますが、実は「冬至の七種(ななくさ)」といわれてほかにもいろいろな食材があるんです。
え、7つもあるの? と、びっくりですよね。
どんなわけで、7つの食材が冬至に食べられるようになったのか…その由来は、
「運盛り」
という昔ながらの習わしでした。
運盛りとは、「運」を呼び込むために「ん」のつくものをお供えするという風習です。
「ん」が2回入ると、運が2倍もらえるということで、次のような食材が運盛りに使われました。
- 蓮根(れんこん)
- 人参(にんじん)
- 銀杏(ぎんなん)
- 金柑(きんかん)
- 寒天(かんてん)
- 饂飩(うどん・うんどん)
そして、「かぼちゃ」が入って、冬至の七種です。
あれ、かぼちゃには「ん」がつかないですね?
ああそうだ、「パンプキン」だから「ん」が2回…ではなくって、
かぼちゃは漢字で「南瓜」と書きますが、「なんきん」とも呼ばれるからなんです。
かぼちゃは地方によって呼び方が違い、関西では「なんきん」、九州では「ぼうぶら」、関東では「唐茄子(とうなす)」など、いろいろな名前で呼ばれてきたようです。
そういえば、九州人のうちの父は「ぼうぶら」って言っていました。
ちなみにカボチャという名前は産地の「カンボジア」から来ていて、ボウブラはポルトガル語が語源なんだそうですよ。
それから饂飩(うんどん)ってなんだよ、って思いませんでしたか?
今はうどんと言いますがもとは「うんどん」で、餛飩(こんとん)という小麦粉料理を温めて食べたものなんだそうです。中国から来たワンタンのことなんですね。
冬至には「ん」のつく食材「冬至の七種」をお供えして2倍の運を呼び込もう!という人々の願いをこめた行事が、今に伝わっているというわけです。
冬至にかぼちゃを食べるとなぜいいの?
運盛りの冬至の七種には7種類の食材があるのに、なぜ「冬至といえばかぼちゃ」だけがとくに有名なのでしょうか?
冬至にカボチャが定着したのにはいくつかの理由があります。
- 冬を乗り切るための栄養が豊富だから
- 作物としてつくりやすく、冬まで保存ができたから
- 金運がアップすると信じられていたから
一年中輸入ものが出回る現代と違って、昔は秋の収穫が終わってしまった季節には、保存食であるかぼちゃは貴重な栄養源でした。
かぼちゃは、カロチンやビタミンが豊富な緑黄色野菜です。寒さの厳しい季節に、風邪に負けない抵抗力をつけるためにはもってこいの食物なんですね。
比較的栽培が簡単という特徴もあります。私は子供のころ、裏庭に捨てた種から勝手に大きく育ったかぼちゃを見たことがあります。
かぼちゃの収穫は夏ですが、たくさん作って冬まで保存が効くので、冬至のお供えにもちょうどよかったのでしょう。
金運についてですが、黄金色の稲穂と同じように、黄色に熟したかぼちゃも金銀財宝を連想させますよね。
また、「ひょうたん」も縁起が良く財運をもたらすとして有名ですが、かぼちゃも丸い形で中にたくさんの種が詰まっていることから、開運につながると信じられているのです。
かぼちゃは、作物が乏しい冬に栄養をとることができる食物として優れているうえに、縁起担ぎの意味も重なって、冬至の食べ物としてポピュラーになっていったと考えられます。
冬至の食べ物にこんにゃくがおすすめなのはどうして?
かぼちゃなどの冬至の七種に入っている食べ物のほかにも、冬至に食べると良いといわれているものはあります。
有名なのは、小豆やこんにゃくです。
小豆は、その赤い色が邪気払い(悪いものを追い払う)になるという理由から、赤飯や小豆粥にして食べられていました。
かぼちゃと小豆を一緒に煮た「いとこ煮」という料理がありますが、冬至かぼちゃの運を小豆でパワーアップさせているというわけなんですね。
調べていて知ったのですが、北海道で食べられるという「かぼちゃのお汁粉」。これは美味しそうですね。今年は、お汁粉にかぼちゃを入れていただこうかなと思います。
冬至に「こんにゃく」というのは、こんにゃくの産地では昔から続いている風習だそうです。
こんにゃくには栄養豊富なイメージはありませんが、どうしてなのでしょうか?
それは、食物繊維が多く含まれるこんにゃくのデトックス効果に理由があります。
こんにゃくは「腸の砂おろし」「胃のほうき」といわれ、体内をきれいに掃除してくれるという働きが知られていました。
一年の終わりには家中のすす払い(大掃除)をするように、冬至には体の汚れを中から流して清めようという考えなのですね。
こうしてみると、冬至の食物って、意外といろいろな種類があるのですね。
私はかぼちゃが大好きですが、あまり得意でない人は、冬至の七種から蓮根でも銀杏でも、またはこんにゃく料理でも、好きなものをいただくといいと思います。
さいごに 冬至は一陽来復の日
昔の人は、季節の節目節目に、健康と幸せを願っていろいろな縁起担ぎをしてきました。素敵なポジティブ思考だと思いませんか?
冬至は「一陽来復」の日として、悪運がリセットされる日であるとも考えられてきました。
一陽来復とは、冬が終わって春が来るように、悪いことが続いたあとでようやく幸運に向かっていくことをいいます。
冬至は一年でいちばん昼が短く、夜が長い日です。次の日からだんだん明るい時間が長くなっていき、季節は暖かい春に向かっていくという、うれしい日です。
さあ、冬至には運盛りのかぼちゃや、体を清めるこんにゃくなどを食べて、新年に向けて運気上昇といきましょう!